思考のストック

 

 

今考えていることを言葉にしないと。

  

そう思ってから,かれこれ4年も経った。いろいろあったはずだけど,すべて記憶の中で美化されていく。

  

そう,記憶はひたすらに美化されていく気がしてならない。どんな出来事も,未来に起きた出来事と紐付けられ,意味付けられ,すべての過去は意義のあるものになっていく。今は必ず未来の何処かにつながっている。

 

これ自体は私の基本的なスタンスなので,それはそれでいい。

 

でも,意味づけられなかった過去は忘れ去られていってしまう。しかも意図せず。起きたその瞬間,それがどんなに鮮明なものであっても。あっというまに,色あせて,なかったことになっていく。

 

ヒトは過去ではなく,今を生きていけるように,うまくできているのだろう。

 

歴史もそうやって紡がれてきたのだろう。未来と紐付いた過去だけが残り,だから歴史は単純化される。だから歴史は繰り返される。

 

フローとしての記憶は,時とともに勝手にスクリーニングされる。でも,ストックとしての記憶は,意図しなければ残らない。そして,記憶がストック化されるとき,それは記憶ではなく思考という形になる。思考という形を取らないとストックできない。

 

思考のストック。

 

そして,思考のストックは,いつかは思考のアセットになるかもしれない。